d_604209 胡蝶、散ります 〜蝶屋敷、鬼の苗床にされました〜

――‘蝶屋敷に鬼が入るなんて、あり得ない’
それは、誰もが信じていた‘安心’だった。

けれどある夜、蟲柱はそこで鬼に敗れ、
毒も剣も効かず、抵抗も虚しく押し倒された。

「やめて…っ、ここは…治療する場所なのに…っ」
しかし耳元で囁かれるのは、あまりにも甘い悪意。

「じゃあ…俺が治してやるよ、お前の‘奥’までな…」
静かな和室で、畳を濡らす水音。

柱の誇りも毒の呼吸もすべて崩れ落ちる中、
彼女は静かに、‘苗床’として開花していった。

安全圏など存在しない──
淫らに咲いた胡蝶は、白濁の中で何度も‘散る’。
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