d_595664 幼馴染に放課後〜土下座でお願いしてみた〜

「……は?」
放課後の教室に、ぽかんとした声が響いた。

俺は床に額をつけたまま、無言で震えていた。

「え、ちょっと今なんて言ったの?」
幼馴染の千夏が笑いをこらえるような声で聞いてくる。

言っちまった。
もう後戻りできねぇ。

「お、おれと……今日俺をオトコにしてくれませんか……ッ!!」
「……すごい勢いだね」
俺はうつむいたまま、顔から火が出そうだった。

ずっと一緒にいた千夏を、こんなふうに意識するようになったのは最近だ。

いつも前向きで明るくて、俺が落ち込んでも、どこ吹く風で笑ってくれる。

そんな彼女が、いつのまにか「女の子」として見えてしまって。

だから今日、思いきって気持ちを伝えようとしたんだ。

……なのに緊張で頭が真っ白になって、なぜか土下座してしまった。

バカだ俺。

「しょうがないなぁ」
笑いながら千夏が俺の頭をつついた。

「じゃあ……ちゃんと言えたご褒美に、ちょっとだけ…ね」
そっと差し出された手。

俺は顔をあげて、それを大事そうに握った。

――これは、恋の始まりか、ただの恥の上塗りか。

放課後の夕日が、やけにまぶしく見えた。
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